妊娠・出産にかかる「意外な」費用を知って賢く準備

妊娠・出産は人生の一大イベント。万全の備えをしようと思うと、どうしてもお金のことが心配になります。でも、何にどれだけかかるかを正しく把握できている人は、実はそんなに多くありません。意外にかかるもの、また場合によっては削減できるものもあります。これらを、ファイナンシャルプランナーがわかりやすくアドバイスします。

意外にかかるのが、「洋服代」と「交通費」

まず始めに、健康保険に加入していれば「出産育児一時金」が最大42万円まで支給され、所得に応じて「出産手当金」もされることを覚えておいてください。入るお金がわかっていれば、使うお金とのプラスマイナスで、備えておくべき金額が見えてくると思います。
出産にかかる費用の平均は約40万円(前回の記事参照)と言われていて、特別なリスク対応をしない場合としてはだいたいこのくらいだと思って頂ければ大丈夫です。

通院や検査の費用は意識されると思いますが、それ以外にどんなものにお金がかかるのか。「チリも積もれば」的にどんどん増えていってしまうものもありますので、ここで少し整理しておきたいと思います。

妊娠初期・中期・出産直前では、体型の変化が著しいもの。また出産後は授乳が始まるので、その時々に対応した洋服が必要になってきます。でも、普段の服で代用したり先輩ママから譲ってもらったりと、上手に活用している方もいます。

後は、交通費。通院時の公共交通機関(バスや電車)は医療費控除の対象になります。タクシーは、基本的には認められませんが、体調等のやむ追えない場合は認められますので、領収書はとっておくようにしましょう。

ベビーカーや赤ちゃん用の洋服などを親しいご友人に「出産祝い」としてリクエストをされたり、お下がりをまわしていただいたりしながら、出費を減らす工夫をしていらっしゃる方もいるようで、体調等の変化から外出も減ることで交際費が圧縮されたという方もいます。
楽しみながら、出産という来る日に備えたいものです。

妊娠前にぜひ準備したい、生命保険の「女性医療特約」

もしあなたが妊娠前だとしたら、女性医療特約をつけて医療保険に加入しておくことをおすすめします。この特約は、妊娠が判明した時点では付けられませんので、妊娠する前に検討した方がいいでしょう。
もちろん、妊娠・出産は病気ではありませんので、医療保険の対象にはなりません。ですが、妊娠が明らかになると同時に、子宮筋腫・乳がん・子宮がん・乳腺症などの病気が発見されることが多くなっています。それに対応してくれるのが、「女性医療特約」。たたでさえ病気のことで不安になりますので、せめて費用くらいは心配しなくていいように備えておきたいものです。

また出産後にお母さんが体調を崩したり、命の危険にさらされることもないとは言えません。女性の場合、特に専業主婦の方は、自分に補償は必要ないとおっしゃる方が多いのですが、そんなことはありません。もしそうなった場合、ご主人は仕事と子育てを両立しなければなりませんし、そのためにベビーシッターを頼んだりハウスキーパーを頼んだりということも出てくるかもしれません。万が一、お母さんが亡くなったときの経済的リスクも非常に高いのです。
特に共働きの家庭では、妻のお給料も前提に家計が成り立っているので、リスクヘッジは必要です。
医療保障だけでなく、万が一の死亡保障も含めた保障の見直し・備えをしましょう。

病院選びは、「出産一時金」の支給や通いやすさなども考慮したい

出産で最も大きくかかる費用は、病院です。今は、自分らしい出産をしたいということで自宅出産も流行っていますが、多くの方は産婦人科や総合病院で出産されると思います。
「出産一時金」については、今年度も42万円が支給されますが、医療機関への直接支払制度や受取代理制度を導入している医療機関も増えているので、事前に調べてから出産されると退院時に窓口で全額支払う必要がなく、一時的な出費も抑えることが出来ます。

病院選びでは、規模や設備、雰囲気などと併せて、通いやすさも考えたいところ。妊娠時には、予測できないトラブルが起こることがあります。あまりに遠いところでは、病院に行くのに時間もお金もかかり、それがさらなる負担になります。
診療費が安かったとしても、交通費が高くつくなら近くの病院の方がいいということもあります。
また小規模の機関では、何かあったときには総合病院に移らなければなりませんし、その時だけ診てもらうといっても難しい場合があります。

大切なのは、健康で不安なく赤ちゃんが生めること。いろいろな条件を考えたうえで、どこにお金をかけてどこを削るのかの計画を立てておけば、今の生活から少しずつ準備するだけで十分です。

次回は、「妊娠・出産における給付や優遇措置」について、お話したいと思います。

※次回の更新は、9月を予定しています。

[11.08.20 Update]

福原生恵(ふくはらふみ)

福原生恵 (ふくはら ふみ)

ファイナンシャルプランナー。
都市銀行にて、相談窓口・新人教育・人事総務担当。結婚・出産・主婦、介護をしながら、引き継いだ保険代理店業を始める。2008年吾妻商事と合併
現在は、保険をはじめとしたコンサルティングを中心に活動中。 「ふみとんマネー塾」開催中。 
「お金に対しての考え方を知っている生活と知らない生活をするのでは、人生の目標を達成する上でも大きく違います。収入に応じた基本的なお金への心構えを身につけ、豊かな人生を送りましょう。」
http://www.azumashoji.jp/
http://ameblo.jp/fi-rudoefu/